「キャリア・アンカー」とは、キャリアに関する「こだわり」のことだとして、シャインは「キャリア・アンカー」を3つの要素(「才能と能力」「動機と欲求」「価値と態度」)により、下図のように8つに分けている。
アンカーとは、錨のことであり、投錨することによって船は安定を保つことができる。
安心立命の状況を保つことを可能にするのがアンカーである。
「キャリア・アンカー」とはキャリアに対するこだわりのことであり、それが満たされれば、同時に心も満たされ、満足できる物事のことである。
極端に言えば、何がなくともそれさえあれば、どんな困難にも耐えることができ、一生続けることができるといえるものである。自分にとって仕事をする際には必要不可欠なものである。
天職というのは、生きがい、働きがいのある仕事であり、 「キャリア・アンカー」 がしっかり機能している仕事ということになる。
ここで、シャインのいう8つのキャリア・アンカーを確認しておこう。
- 特定専門分野/機能別のコンピテンスある特定の業界・職種・分野にこだわる。専門性の追求を目指すが、いわゆる技術系に限らず、ずっと経理畑を歩むなども含まれる。
- 全般管理コンピテンス総合的な管理職位を目指す。1.と対称的に特定分野に止まらず、組織全体にわたるさまざまな経験を求める。
- 自律/独立(自由)制限や規則に縛られず、自立的に職務が進められることを重要とする。内的な感覚として、自分の仕事のやり方を自由に自分自身が決められることを望む。(自分自身が自由に仕事を進められているという認識があればよい)
- 保障/安定生活の保障、安定を第一とする。経済的に安定していることは誰しも望ましいことであるがリスクをとって多くを得るより、安定を最も大切なこととする。
- 起業家的創造性新規に自らのアイデアで企業・創業することを望む。現在起業していなくても、常に起業することを意識していることも含まれる。
- 純粋な挑戦チャレンジングなこと、誰もしたことがないことに取り組むことを求める。一つの挑戦が達成したら、さらに新たな挑戦を追い求め、「挑戦すること」「挑戦し続けること」自体に価値を置く。
- 奉仕/社会献身仕事の上で人の役に立っているという感覚を大切にする。さらには、社会全体への貢献を求めることもあるために所属している組織に限らない奉仕活動に専念することもある。
- 生活様式仕事生活とその他の生活との調和・バランスを保つことを重要視する。なお、このアンカーは、最近増加の傾向にある。

「キャリア・アンカー」を無視して仕事をしても、心から満足し、仕事に生きがいを見出すことはできない。
生きがい、働きがいのある仕事を選ぼうとするならば、この 「キャリア・アンカー」 を明らかにすることが必要である。
診断結果は、こちらから、確認できます。
実際の診断にあたってはを上掲した「キャリア・アンカー」(エドガー・シャイン著 金井 寿宏訳)参照のうえご活用ください。
診断結果は、こちらから、確認できます。
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