診断・アンケートの紹介

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日本人の心をはかる ―― なぜ国民性調査か

「日本人の心をはかる」林知己夫著

表題著書をもとに、〈国民性調査〉なるもの及び〈調査〉について考えてみる。

冒頭著者は次のように言う。
《これは、いわばに苦口の、あるいは辛口の日本人論である。・・・つまり、一つの科学的方法を土台として発展させてきている日本人論なのである。

私の考えている日本人論は、日本人の心をさぐるための一つの道案内をするという意図が強い。》
調査は、日本人の心を探るための道案内のためであるという。
本著は、三部から構成される。

先ず、国民性を《いろいろの物ごと、自然や人間、社会事象に対する人々の考え方、ものの見方、感じ方の諸相》ととらえ、計量的研究の意義について述べ、計量的日本人論の特色を次のように述べる。
  • 深い意味を持つ兆候をデータの中から露呈させることのできるのが、継続調査の重みであり、それが計量的日本人研究の肝要な特色となっている。
  • 計量的日本人研究のもう一つの需要な特色は、意見構造・態度構造、普通の言葉でいうと思想、考えの筋道を明らかにすることである。
計量的研究として国民性調査が実施された経緯が述べられる。
今後、国民性研究を人間性研究の一環とすることを課題として挙げる。

第二部では、「日本人の国民性」が分析されている。
「第一章 日本人の心のヒダ――根深い義理人情構造」「第二章 戦後日本人の意識はどう変わったか」「第三章 三〇年間の日本人の意識の流れ」の分析に続き、第四章では、意見の変化の中に五つの型を発見する。続いて、第五章で、「意識構造を探る」ことに拠り、第六章で、「宗教への回帰現象」「手本を失った日本人」など当時における「新しい日本人」の行動について予測する。

第三部「外国との比較から見た日本人」では、国際比較の重要性が語られ、日本人の特徴が浮き彫りにされ、国際社会で活躍する日本人の自己理解には、国際的な共同研究が不可欠であることが示される。最後に、「世界の孤児にならないために」、第六章で、「国際化とは何か?」が示され、「理解の仕方が問題」であること、また「日本を理解させる努力」が足りないことが指摘される。
重要なのは「フィードバック機能」であり、「考える土俵」を発見し、「共通の基盤」確立することである。そして「表現のスタイルに注意」しながら、「相互理解」を進めることであるというのである。

詳細は、本著に拠って欲しい。謂わんとすることを要すれば、「見える化」である。
意識と無意識の構造が、文化によって異なる。それは言葉の違い、表現の違いとなる。
相互理解するには、共通基盤を確立し、各々の立場をはっきり見える形にしようということである。
違い、得手不得手、強み弱みを理解することから何事も始まるということである。
調査は、その働きかけの端緒である。

以下に、本著の目次を掲載する。

はじめに
第一部 なぜ国民性調査か
第一章 計量学と日本人論
国民性とは何か
なぜ日本人研究を行うか
なぜ計量的研究か
計量的日本人論の特色
第二章 国民性調査・日本人研究の歩み
国民調査迄の統計研究環境
国民性調査
第一回国民性調査(昭和28年)
第二回国民性調査(昭和33年)
第三回国民性調査(昭和38年)
第四回国民性調査まで
第四回国民性調査(昭和43年)
ハワイ日系人調査(昭和46年)
第五回国民性調査(昭和48年)
第六回国民性調査まで
第六回国民性調査(昭和53年)
国際比較
第七回国民性調査まで
第七回国民性調査(昭和58年)
これからの国民性調査・研究
第二部 日本人の国民性――不変と変化
第一章 日本人の心のヒダ――根深い義理人情構造
日本人のタテマエとホンネ
数理的方法で浮き彫り
二〇年前と今とでは
第二章 戦後日本人の意識はどう変わったか
戦後の平均的日本人
自由・権利より親孝行・恩を尊重
義理人情型に圧倒的支持
「近代化」の価値基準離脱の若者
第三章 三〇年間の日本人の意識の流れ
日本人論の諸方法
日本人の大多数意見
意見の変化が大きいもの
変化は大きいが伸びが止まったもの
比較的変化の少ないもの
短期間に変化したもの
Uターン現象
変化のないもの
根強い人間関係のあり方
日本的考えの筋道
まとめ
第四章 時世か、加齢か、世代か
意見の変化に五つの型
(1)加齢と時世との影響が共にある
(2)時世にかかわりなく加齢のみで変化する
(3)時世の影響のみで変化する
(4)時世にも加齢にも影響されない、つまり変化しないもの
(5)世代のみによって変化する
世代差の大きい女性
第五章 意識構造を探る
1 義理人情的考えの筋道
2 伝統―近代対比の考えの筋道
3 人間関係と一般社会事象の伝統―近代
4 伝統―近代と科学文明観
回答パタン分類の数量化とは
第六章 新しい日本人とは
新型日本人の誕生
九割が人情課長を支持
宗教への回帰現象
手本を失った日本人
強まる日本の見直し
新型日本人の世紀へ
第三部 外国との比較から見た日本人
第一章 どうして国際比較を行うか
科学的人間研究の視点
望ましい国際共同研究
第二章 国際比較はどう行うか
国際相互理解の方法
連鎖的な比較方法
第三章 国際比較から見た日本人論
日米で違う「知力と体力」観
イソップ物語と国民性
テキストでは探れぬ国民性
時世の変化つかむ継続調査
考えの筋道発見の重要性
有効なパタン分類の数量化
日本の義理人情度はアメリカではどうなるか
歌舞伎の分かる外国人?
根強い伝統近代観
日米比較からみた日本人
高度工業社会としての共通性
理解妨げる日本的発想
自然観に見る日欧の差異
中間的回答に日本的特徴
支持政党でも中間的態度
あいまいさとバランス感覚
国際比較で知る反省点
第四章 文化の国際比較の意味を考える
一五年周期の変化
枠組みが違う日本人と日系人
連鎖的比較方式
中間回答に差
おはじきによる国際比較
考えの筋道
国際比較と相互理解
第五章 日本、フランス、ハワイの比較から
共通する各種の不安感
生活の質は日本、アメリカ・フランスで差異
大局的に等質だが特色ある三極構造
第六章 世界の孤児にならないために
国際化とは何か?
理解の仕方が問題
足りぬ日本を理解させる努力
国際比較と相互理解
重要なフィードバック機能
考える「土俵」の発見
同異に応じた質問構成
表現のスタイルに注意
共通の基盤に立つ相互理解





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